今回は、お弁当にリンゴを入れたいときに役立つお料理の豆知識。
お料理初心者さんにわかりやすいように「切ったリンゴの変色を防ぐ効果的な食材」と「具体的な方法」をご紹介します。
また、おかずにもなる簡単レシピ、美味しいリンゴの選び方や上手な保存方法なども、あわせてご紹介。変色したリンゴの色を元に戻す裏技もお伝えしますね!

リンゴを切って置いといたら茶色っぽくなっちゃった
お弁当に入れたかったのに…

おうちにある食材で、変色を防ぐ簡単な方法があるよ

それ、知りたい!詳しく教えて~!
なぜリンゴは変色するの?
皮をむいたリンゴや切ったリンゴは、置いておくと茶色っぽく変色します。
これは、リンゴに「ポリフェノール」と「酸化酵素」という成分が含まれているから。
酸化酵素は、ポリフェノールと空気中の酸素がくっつくのを促す働きをします。
ポリフェノールに酸化酵素が働き、酸素がくっつくと、ちがう成分に変化してしまい、色が茶色くなります。
つまり、「ポリフェノール・酵素・酸素」の3つが反応することが原因。

ポリフェノールって、よく聞くね。
なんか体に良いんだったっけ?

うん。ポリフェノールは、植物が光合成するときに作られる成分だよ。
柿の渋み成分のタンニンや、お茶のカテキンも、ポリフェノールの一種。
ほとんどの植物に含まれてて、5000~8000種類もあるんだって。
ポリフェノールとは?
植物の苦みや色素などの成分の総称
植物に含まれる渋み、苦味、色素などの成分はポリフェノール。 実は、ポリフェノールは、ほとんどの食品に含まれています。
「ポリ」は、多数とか、複数という意味の言葉。
ここでいう「フェノール」は、フェノール性ヒドロキシ基を指します。
化学が嫌いな方は、もう読むのがイヤになってきましたよね?
とりあえず、植物に含まれていて、何か体に良い成分と思っていただければOK。 花びらのきれいな色や美味しそうなフルーツの色もポリフェノールです♪
一度は聞いたことがある有名なポリフェノール
カテキン…緑茶、紅茶、ワイン、ココア、大豆、小豆など。リンゴにも含まれる。
タンニン…柿、お茶、赤ワイン、バナナなど。リンゴにも含まれている。
イソフラボン…大豆、豆腐や豆乳などの大豆加工製品。
アントシアニン…ブルーベリー、紫芋、ブドウなど赤紫色をした植物の色素。
最近話題のリンゴポリフェノール
健康効果が高いと最近注目されているポリフェノールで「プロシアニジン」という成分があります。
リンゴに含まれるポリフェノールのうち、6割がプロシアニジンなんですって!
これは酸化してしまうと成分が変化するため、リンゴを酸化させない、つまり、茶色く変色させないようにして食べると良いのだそうです。
切ってすぐ、生で食べるか、変色させない工夫をするか…ですね。
リンゴポリフェノール「プロシアニジン」については、参考URLを貼っておきます。
ご興味ありましたら、どうぞ。
プロシアニジンとは | 青森りんご公式サイト(一社)青森県りんご対策協議会


リンゴの変色を防ぐにはどうすれば良いの?
茶色くなる原因は、リンゴのポリフェノールと、酵素と酸素が反応することでした。
ですので、変色を防ぐには、この3つをくっつけさせないようにすれば良いです。
リンゴからポリフェノールを抜くことはできないので、
- リンゴの切り口を空気に触れさせないようにする
- リンゴの成分の酸化を促す酵素の働きを抑える
という方法で解決しましょう。

変色を防ぐのに使える食材
では、変色を防ぐのに使える食材をご紹介します。
- 塩
- 砂糖
- レモン汁
- ハチミツ
- 炭酸水
- 酢
おうちにある物で試してみてくださいネ。具体的な方法は、次で順番にご説明します。
塩を使ってリンゴの変色を防ぐ方法
塩なら、どこのおうちにもありますよね。一番簡単で実行しやすい方法です。
塩水を作って、切ったリンゴを浸すだけ。浸す時間は、1~2分でOKです。
塩水の材料と分量
- 水 200㏄
- 塩 1g
塩1gは、計るのがめんどうな人は「ひとつまみ」で大丈夫。ひとつかみではないので、つまんでネ♪
砂糖を使う方法
塩と同じで、お砂糖を水に溶かして、切ったリンゴを浸します。
砂糖水の場合は、1~2分だと効果が薄いです。5分~10分くらい浸けておきましょう。
砂糖水の材料と分量
- 水 200㏄
- 砂糖 大さじ1杯
レモン汁を使う方法
レモン果汁を入れた水に、切ったリンゴを浸します。
時間は、5分くらい。こちらも1~2分では効果が薄いです。
レモン水ではなく、レモン果汁を直接リンゴに振りかけてもOKですが、酸味が強くなります。
レモン水の材料と分量
- 水 200㏄
- レモン果汁 大さじ1杯
ハチミツを使う方法
ハチミツを水に溶かして使います。ハチミツは常備していないかもしれませんが、この方法は一番効果が高いかも。ハチミツがおうちにあるなら、おすすめの方法です。
リンゴに、ハチミツの風味が良く合うため、味的にも一番好き♪ 浸す時間は、2~3分くらいでOK。
ハチミツ水の材料と分量
- 水 200㏄
- はちみつ 大さじ2杯
炭酸水を使う方法
炭酸水は、水で薄めたりせず、そのまま使います。
クエン酸が入っていれば、サイダーなどの甘みのある炭酸飲料でもOKです。
5分くらいで良いですが、塩水やはちみつに比べて効果は薄い…
お酢を使う方法
レモン汁はなくても、お酢なら常備している家庭も多いのではないでしょうか。
お酢は、水で薄めて使います。浸す時間は5分ぐらいでOK。
ですが、こちらも塩水と比べると効果は薄いです。
酢水の材料と分量
- 水 200㏄
- 酢 大さじ1/2杯
以上、6つの食材でりんごの変色を防ぐ方法をご紹介しました。
この中でおすすめなのは、個人的には「塩水か、ハチミツ」。
ハチミツは、少々コストがかかるのが難点ですが、効果もあり、味も良いです。
塩水は、昔から定番の方法、普段からやってるよという人も多いのではないでしょうか。濃度や浸す時間によってはリンゴの味が変化することもありますが、コストも低く、手軽にできる方法でいいですね。
塩で変色が防げる理由は、塩に含まれるナトリウムイオンがポリフェノール類のまわりに集まり壁を作るため、酸素とくっつきにくくなるというわけです。
お砂糖やハチミツは、リンゴの細胞のまわりに薄い膜を作るため。こちらも酸素とくっつきにくくなります。
お酢やレモン汁は、「酸化を促す酵素が、酸性では働きにくい」という性質を利用したものですが、お酢やレモン汁はそんなに強い酸性ではないため、効果が薄いです。

どの方法も切ったリンゴ全部が浸らないとダメだよ。
ボウルやコップより、ビニール袋を使うのが、おすすめ。
液体と切ったリンゴを袋に入れて空気を抜いて口を結んでね。
サイトによって意見が異なるのはなぜ?
いろんなサイトでリンゴの変色についての記載がありますが、塩水が一番良いとか、ハチミツのほうが良いとか、意見がいろいろ違います。
これは、使っている塩やハチミツ、レモンやリンゴがそれぞれ違うため、含まれる成分や量に違いがあることや、濃度、浸す時間、気温の違いなど、様々な条件が統一されていないためです。
家庭で試してみる場合、化学室での実験とは違いますから、違いが出て当たり前。
食品や植物など、自然のものを使った実験では、実験室で行っても差異が出るものです。
「いったいどれが正解なの?」「何を信じれば良いの?」と疑問に思うかもしれませんが、あまり細かいことは気にせず、手軽に行える方法で試してみてくださいネ♪

おかずにもなる簡単リンゴレシピ
デザートではなく、おかずにしたいならリンゴ入りのサラダがおすすめ。
リンゴのシャキシャキの食感とさわやかな味が、いつものサラダをもっと美味しくしてくれます。
作り方は簡単!コールスローやポテトサラダ、カボチャサラダなどに切ったリンゴを和えるだけ。
特に、サツマイモやカボチャなど、甘みの強いお野菜はリンゴと良く合います。

サラダに入れる場合は、マヨネーズやドレッシングがリンゴをコーティングするので変色しにくいよ。切ったら手早く和えよう♪
さつまいもとリンゴのサラダ
自然な甘さのデザートみたいなサラダ。サツマイモがない時期はカボチャで作っても美味しいですよ。
材料
※分量は一応書いてますがテキトーで大丈夫
さつまいも…小1個
リンゴ…1/8個
レーズン…大さじ1
マヨネーズ…適量
塩こしょう…少々
作り方
- サツマイモを小さく切り、茹でるか、レンジでチン。
- リンゴをイチョウ切り、または角切り。
- サツマイモが冷めたら、フォークで粗くつぶす。
- つぶしたサツマイモに、リンゴとレーズン、マヨネーズ、塩こしょうを入れ、混ぜる。
レーズンをサラダに入れるときは、戻さずそのまま使ってOK。
お弁当を食べるころにはサラダから出る水分を吸って、自然とふっくらしてくれています。
塩こしょうは、クレイジーソルトを使うともっと美味しくなります。
クリームチーズや角切りのチーズを入れるのもリッチな味わいになってGOOD♪
人参とリンゴのサラダ
健康的でシンプルな材料で作る簡単サラダ。こちらもお好みでレーズンやチーズを入れると美味しいですよ。お弁当に入れるときは、しっかり水分を切って調理しましょう。
材料
- 人参とリンゴ 同量くらい
- 塩(塩もみ用)…適量
- マヨネーズ…適量
- 塩こしょう…少々
作り方
- 人参を千切りにする
- リンゴも人参と同じぐらいの大きさの千切りにする
- リンゴと人参をお椀、またはボウルに入れ、塩をふりかけ軽くもみ、しんなりするまで放置(10分くらい)
- 水分をキッチンペーパーで吸い取る
- マヨネーズで和え、味が足りなければ塩こしょうで整える。
マヨネーズの代わりに、オリーブオイルと塩コショウ、レモン汁をかけても美味しいです。
人参は、ピーラーで薄く削いでから、食べやすい大きさに切ってもOK。

ピーラー(皮むき器)は、包丁より手を切る頻度が多いので、使うときはよ~く注意してね
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美味しいリンゴの選び方
リンゴを選ぶときに見るポイントは、皮やツル、重み、大きさ。
全体的に、皮にハリがあり、手に持ってみて重量感のあるものが良いです。 見た目よりズッシリとして感じる物は果汁をたっぷり含んでいるから。
大きさは、大きすぎるより中玉くらいが味が良いとされています。
ツル(軸)は、太めが良いです。
ツルは、木からリンゴへ水分や栄養を運ぶ部分だから、ツルが太いほうが栄養もたっぷりで糖度も高くなるのだとか。
色は、下の方まで赤いほうが良いとされますが、品種によっても赤さが違うので、同じ品種の中で見比べて、色づきが良いのを選ぶようにしましょう。
まれに、ツルの付け根に割れ目が入っているリンゴがありますが、これはリンゴが熟している印です。

リンゴの皮のテカテカの正体は?
「ジョナゴールド」や「つがる」などのリンゴは皮がテカテカに光っていることかあります。
「美味しそうに見せるために何か薬品やワックスを塗っているのでは?」と思うかもしれませんが、テカテカの正体はリンゴから分泌される物質(ろう物質)。
食べても大丈夫です。
テカテカの物質は、リンゴが熟すにつれて、ベタベタに変わります。これも、天然の飽和脂肪酸なので、食べても問題ありません。
国産のリンゴには、人工的に皮にワックスを塗るなどの処理は行われていません。
※情報元:果物ナビ

リンゴの保存方法
リンゴは、なるべく冷蔵庫で保存しましょう。
保存方法は、リンゴを1個ずつキッチンペーパーか、新聞紙で包み、薄めのポリ袋に入れて、袋の口を結びます。
リンゴは収穫後も呼吸をしているため、分厚い袋だと呼吸ができなくなります。
袋の厚みは、0.03~0.05㎜を使いましょう。
呼吸で出た炭酸ガスや水分は、キッチンペーパーや新聞紙が吸収してくれます。
※参考:りんご大学

冷蔵庫に入りきらないときは、日の当たらない涼しい場所「冷暗所」で保存してね
おまけの豆知識
ほとんど使うことのない裏技かとは思いますが、最後におまけ♪
変色してしまったリンゴは、オレンジジュースに浸けると元の色に戻ります。
これは、オレンジジュースに含まれるビタミンCが、酸素とくっついて「酸化」してしまったポリフェノールから酸素を外す働きをするためです。
浸ける時間は5分ほどでOK。
オレンジジュースとリンゴなので、味は、とっても美味しいです♪

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